≪訓練所編・その5≫

1999.5.8

 日記を読み返し、訓練所の行事の数々を紹介します。所々抜けているかもしれませんがご了承ください。

朝のラジオ体操&長野先生(全国でラジオ体操の指導をしている人)の講義
 ラジオ体操の正しいやり方の講義。任地に行ってからの健康管理に役立てるため。真剣にやると結構汗がにじむ。

局長講話
 訓練中3回、局長よりありがたい(?)お話がある。

総合試験
 国際協力についての基本的な問題が出る。一定点以上取らないと追試。入所前に配られた資料から出題される。つまりきちんと事前に勉強したかを図るもの。筆記試験なんて本当に何年振りだったか(笑)。試験はこの後中間試験と、訓練終了間際にもう一度ある。

当番・委員会
 訓練所の生活は全寮制の学校のよう。よっていろいろな係り(当番)や委員会がある。
日直、食事当番 etc。
体育委員、図書委員 etc。

1分間自己紹介
 
入所してすぐに全員(171人)の自己紹介がある。歌う人、踊る人、早口な人、穏やかな人などいろいろ。
"おかたか"は普通に自己紹介したが時間が足りなくて思ったこと全ては言えなかった。

オリエンテーション
 ・保健衛生:名前の如く、任地でいかにして衛星を保つか、病気にならないようにするかなどの話。
 ・派遣課:JICAの人間として報告書提出の義務などちょっとした事務的な話。
 ・任国別:それぞれの派遣国の事情(宗教、治安等)。
 ・技術雑誌講読:派遣期間中、自分の職種に関する娯楽性のない雑誌を購読することができる。その手続き。
 ・表敬訪問:訓練終了後、自分が在住する都道府県、市町村の各長に表敬しに行かなければならない。その手続き等。
 ・謁見:訓練期間中に皇太子、皇太子妃両殿下と謁見する機会がありその方法などの話し。

身体検査

予防接種
 ポリオ・破傷風・狂犬病・A型肝炎・B型肝炎、各2回づつ。それとイエローカードが必要な国では黄熱病。他に日本脳炎。毎週水曜日に注射すると言う、とても異質な世界だ。ちなみに"おかたか"は全部受けたはず…。

国際関係と日本の国際協力に関する講話
 なんだかこむづかしい話だった気がする。当時はメモを取ったがただいま発見できず。

球技大会
 入所してすぐ、班対抗の球技大会がある。このときはドッヂボールだった。結構ノリがいい(エキサイトする)人が多くて楽しかった。20歳から40歳までみんな元気だ。

D−2講座
 これは職種によって受ける任国情報で、工具の話とか技術レベルの話し、どうやって相手の手の内を探るかなどいろいろ話しが聞けた。

先輩隊員の訪問
 これは個人的な行事。前任者の住所を調べて葉書で問い合わせてみたところ、訓練所までわざわざ来てくれた。赴任当時の貴重な話や、裏話が聞けて良かった。このとき来てくれたのはお二人。大感謝である。任地では後任の人が困らないようにがんばりたい。また、お二人がしてくれたように帰国後要請があったら協力したい。と心に思う"おかたか"であった。

特別講座
 資料が見当たらず。

救急法の講座
 三角巾の使い方、止血の仕方、人工呼吸などボーイスカウト時代によくやったことだったがほとんど忘れている。思い出すこと、新たに知ったことなど、いろいろとためになる講座だった。しかし出血時はかなり気を使わないとAIDSが怖い。

ケース・スタディ
 いつもの班とは違ったグループを作って、とある課題を与えられそれに対してグループで議論する。"おかたか"の班の課題は「とある協力隊員が現地人に良かれと思って行ったことが空回りして、現地人から浮いていて、疎外感を感じている」との内容だった。これに対する”原因”、”対策”などを討論し、提出。

所外活動
 訓練中たった3回ではあるが、近隣の農場、酪農場、養護施設、幼稚園などに実際にボランティアをさせてもらいに行く。"おかたか"は酪農場だった。

交通安全講座
 交通ルールや、交通安全意識の違う国でいかに自分を交通事故から守るかなどの講義。

単車貸与予定者の運転講習会

 その名の通り単車運転の講習会。

安達太良山登山
 訓練所の後ろにそびえる安達太良山に登る。

歯科に関する保健講座
 発展途上国では、日本のような丁寧な歯科治療が受けられず、ほとんどの場合が問題の歯を抜いてしまいます。それ故に、以下に虫歯を作らないようにするかの講座があります。

ワークショップ
 訓練生が自主的に、自習時間を使って互いに知識を高める講座。"おかたか"が参加したのは以下のワークショップだったが、他にも色々。
 ・折り紙
 ・楽しい実験
 ・コミュニケーション手法

Bafa Bafa
 異文化体験ゲーム。二つのグループに分かれ、各グループには独特の習慣が与えられる。お互い相手の習慣を知らずに訪問し会いまったく違った文化を擬似的に体験する。

C−1講座
 Bafa Bafaの解説。

自主計画
 サッカーが良かった。久しぶりに外で思い切り走ったような気がする。スポーツはやっぱりマジにやったほうがいい。それと、語学の教官が一緒ってのも楽しかった一因である。語学の先生方のうまいこと。結構クールな顔して熱い人たちだった。アラブ系の先生は勝ち優先というお国柄が良く出ていた。
 もう一試合は、残念ながら雨ではあったが、安達東高校のサッカー部と親善試合をやった。一応毎回申し込めばやってくれるようだ。

伝染病の講義
 ぼそぼそ声の単調な話で、まるで催眠術にかかったように多くの人が寝ていた。もう少し、講師を選んだほうがいいのではないかと思うほどだった。

マラリアの講義
 他の病気も色々あるのになぜか”マラリア”の独立した講義がある。それだけ罹りやすく、危険なのであろう。その最たる地、タンザニアに派遣になったのだ。

メンタルに関する講座

野外訓練
 訓練所の外で一泊のキャンプを行う。ここでも意外な人間性が出る。

ウォークラリー
 普通に行われているオリエンテーリングと一緒。

One-day short trip
 語学訓練の一つ。各Aクラス毎に日帰り旅行を企画する。この旅行中は日本語を使ってはならない。

保健のテスト
 各保健関係の講座での理解度を図るもの。

0号報告書
 協力隊員は任地ではもちろんのこと、訓練中から報告書を提出する義務がある。

語学交流会
 各言語を母国語として使っている方を招いて交流会を開く。"おかたか"は英語を話せるタンザニア人をお客として迎えた。

ロードレース
 ちょっと距離を忘れてしまったが、マラソン大会。朝のラジオ体操、ランニングの成果を発揮する行事。"おかたか"は体育関係の隊員、若者のいる中7位だったのでうれしかった。

皇太子、皇太子妃との謁見
 両殿下にお会いして、少しだけお話ができる機会。"おかたか"は皇族があまり好きではないが、こう言ったチャンスはなかなかないらしい。

ワクチンの講習

語学発表会
 語学訓練の成果を見るために自分の担当以外の教官、自分と違うクラスの訓練生の前で自分で決めたトピックを20分ぐらいスピーチする。もちろん、任国語で。

終了式
 その名の通り。卒業式のようなもの。この時点で結構達成感があるのだが、これからが本番である。

おまけ
 訓練が終了し、準備のために家路に着く。二本松駅で電車を待つ。同期達と任国でがんばろうと誓いう合う中列車が到着。するとスピーカーから「協力隊の皆さん。訓練ご苦労様でした。任国で精一杯活動し、元気に帰国してください。ここ二本松は皆さんの第2の故郷です…」と言う内容の駅長さんの餞のアナウンスがあった。"おかたか"はかなり胸が熱くなった。

 


おかたかより

こうして僕達は訓練生から晴れて協力隊員になり、
いろんな人への感謝の気持ちと期待や不安を胸に任国へと向かうのです。
今こうして改めて書いてみると、なんとも贅沢に税金を使ってきたんだなぁとも思います(笑)。
また、大変密度の濃い内容で気が変になりそうでしたが、
うまく気を紛らわせるようにプログラムされているんだなぁとも感じました。
訓練所生活は本当に異色な世界でしたが、2度と体験できないであろう貴重な2ヶ月半でした。

NTCの貴重な写真を提供してくださった
同期隊員の"S"さん、
訓練所のスタッフの皆さん、
岳温泉の居酒屋の方々、二本松市民の方々。
いろんな人に、大・大・大感謝!!!

これにて訓練所編を終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。


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