∽人生最悪の出来事∽

1999.5.9


おかたかより

元はと言えば僕の勝手で参加した協力隊。
こう言う結果になっても仕方ないと、日本では覚悟してきたのだが
やっぱり辛いものは辛いです。
今月、日本に置いてきた彼女に振られました。
バスケと酒は帰ってきましたが、神様は一番大事なものを奪ってしまいました。
ホーム・ページのネタにでもしようかな?とも思いましたがやめておきます。


抜歯の話、その後
 今月の始め、歯医者が処方した薬を終えたのでいよいよ親不知を抜きに行く。事務所にも用事があったので顔を出すと"おかたか"の他にも同じ症状(マラリア→歯痛)で、尚且つすでに歯を抜いた隊員がいた。しかし手術中にばい菌が入ったらしく、いまだに痛がっていた。M.C(医療調整員)はそんな感染を起こすところには隊員を預けられないと言って、断ったらしい。"おかたか"の抜歯はいつになるのやら。痛みは今のところ引いている。このまま後1年ちょっと経ってくれれば良いのだが…。

キレた話
 ある日の夕方いつものようにバスケットのコートに向かう。今は雨季なので地面はぬかるんでいる。コートの傍ではトラクターがぬかるみにはまった荷台を引っ張っている。そして単車をいつもの場所に置く。これがまずかったのかもしれない。練習を始めてしばらくして、外野がなんだか騒がしくなった。そっちの方を見ると「タカ!おまえのホンダ(ここの人間はバイクは全部ホンダだと思ってる)が倒れているぞ!」「げっ!」現場に行ってみる。ぬかるみからやっと出た荷台がぶつかったようだ。「なんじゃぁ〜〜!!」「誰がやった!?」誰も何も言わない。(普通、過失でも謝りに来るだろう?)この時点で切れた。トラクターの運転手の方にすごい形相(だったと思う)で向かっていく。すると知らんおっさんが立ちふさがり「Bahati mbaya(運が悪かったんだ)」とぬかす。まただよ!いつもだよ!こいつら、原因がはっきりしているのにもかかわらずいつも責任逃れをする。"おかたか"、そのおっさんの胸倉をつかんで突き飛ばす。するとチームメイトが止めに入ったので一度落ち着く。
 周りは野次馬が多かった。単車の方の被害はそれほどでもなかった。しかし、一向に謝りに来ない。きちんと動くことを確認してもう一度トラクターの運転手を呼ぶ。こっちに来ながら
「それ新車か?かわいそうに」とぬかす。「おまえ壊れていたら弁償するんか?」(できるわけないのだが…。)相手はへらへらしているだけ。これが本当にむかつく!!「とりあえず謝らんかい!!」と言ったときにはもう手が出てた。するとまだへらへらしながら「おまえ今殴ったな?…。」この後のせりふは決まってる。「警察に行くぞ」だ。もうだめ。こっちも最終兵器。「てめぇ、空手ってしってっか?」これ、タンザニア人をびびらすのに効く。全国の空手家の方ごめんなさい。そして同期の空手隊員にちょこっと教わった構えをする。すると群がっていた野次馬が一気に後ずさり、目の前の相手は硬直。そこへ再びチームメイトが必死の形相で「落ち着け、落ち着け。」その様子がおかしかったので、怒りも静まり笑いをこらえて練習に戻った。ほんの少し脚色してあるが空手のネームバリューはすごい!!

 その後バイクの調子を見ていると子供達が寄って来ていたので、「子供達よ、悪いことしたらとりあえず素直に謝りなさい。」と言ったら、「おまえ!俺は止めに入っただけなのに胸倉捕まれたぞ!」と被害者のおっさん。「ごめんなさい。」有言実行な"おかたか"であった。(笑)

タンザニア教育研究会
 タンザニアの教師隊員は「タンザニア教育研究会(タン教研)」と言うものを組織していて、年に2回、ひとつの学校にお願いして研修会を行っている。今回はムソマ・セカンダリー・スクールだった。ダルエスサラームから飛行機で北西に1時間ぐらい。(写真は"キリン"のマークの”AIR・TANZANIA。アフリカらしいでしょ?)ヴィクトリア湖の湖畔にムソマ市はある。
 研修会では毎回あるテーマを与えられ、それを目標に実際の授業を工夫してみる。それをホスト校の先生や、隊員同士で評価し今後の活動に生かすのである。今回は「生徒参加型の授業」。この手のテーマはデモを行いやすい技術系には向いている。学校側からの要請は「テレビの簡単な仕組み」だった。

 プランは:動画とは?→テレビの構成→テレビ画面の構成→信号の伝達:と言った感じで考えた。ところが始めの動画のところでアニメーションの話から入っていこうと思ったが、どっこい。「先生、アニメーションって何?」「え?ディズニーとか知らないの?」「うん。」しまった。ザンジバルの生徒たちは知っていたのに…。心配になって「テレビは見たことがある?」「うん。」よかった。この後用意しておいた"パラパラマンガ"を見せたら喜んでくれ、動画と言うものを理解してくれた。(と思う。)

 

 そんな感じで不安を感じながらも授業は終わった。デモも、生徒にやらせたシミュレーションも楽しそうにやってくれていたので良かった。生徒たちに挨拶を済ませ担当のタンザニアの先生に講評を聞きに行く。「どうもありがとうございました。」「こちらこそ。ところでうちの学校、テレビに関する本がないんだ。なんとか都合つかないかね?」「へ?」果たして"おかたか"の授業は評価してもらえていたのだろうか…?

 

 


おかたかより

歯のほうは生活に支障がないのなら切らないほうがいいと言うことになりました。
”切れた話"は大した事ではなかったのかもしれませんが、
日頃からの"謝らないタンザニア人"、"責任転嫁のタンザニア人"に対する
怒りが爆発してしまったのでしょう。
研修会の後は飛行機の都合やらなんやらで時間が合ったので少し観光して帰りました。
普段島にいる僕。海は見なれているものの、
波のたたないヴィクトリア湖の水平線に見とれてしまいました。いや〜でっかい!

てなことで、あまり本業をやっていない気がします。
しかし、やっぱりショックでやる気がいまいちです。人生何かを得るときには何かを無くすんですね。
お暇な方、励ましのメールでもください(笑)。


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