ΘリーダーのページΘ
〜その4〜

2000.6.26


おかたかより

僕らの生活から結局切ることが出来なかったスワヒリ語。
語彙が少ないせいか、いろいろ言いまわしがあります。
そんなスワヒリ語に接した感想です。


スワヒリ語のススメ

 例えば、目の前にキョロキョロしている外人さんがいたとしたら、やっぱり「目ぇ、合わさんとこ」とか思ってそそくさと歩き去ったりしないだろうか。「私は困っている人がいたら外人でも助けてやる」という人は、この先は読まなくてよろしい。多分、分かり合えないと思うから。ちなみに僕は、そんな場面に出会ったら回れ右をしてしまうほど外人、というより「外国語」が苦手である。

(おかたかより:しかし、彼のスワヒリ語はすごいと思う。)

 しかしながら、ここで運悪くその外人さんに捕まってしまったとしよう、これが朝なら英会話を教えてくれることもあるだろうが(そういえば”ズームイン朝”のこの企画、まだ続いてるんだろうか?)なかなかうまい話は転がっていない。「あちゃ〜、参ったなぁ」と、その瞬間に頭が「コンサイス英和辞典モード」に切り替わって、ファイティングポーズをとるのが普通の日本人だと、僕は思う。

 ところがこの外人さんが「スミマセン、ここに行きたいのですが・・・」などと”日本語”で話しかけてきたらどうだろう。頭はすでに英和辞典モードになっているので、あわててしどろもどろになるかもしれないが、どうにか道案内をすることと思う、何せ”日本語で”なのだから。

 問題はここからである。「チッ、冷や汗かかせやがって」と思いながらも、心のどこかで嬉しくなっていないだろうか?人助けしたのもそうだが、「あぁ、あの外人、日本語を勉強してるんだ」と思いませんか?
 テレビなどで外国人のゲストが日本語で挨拶したりすると
「う〜ん、感心感心」と感じませんか?前置きがかなり長くなりましたが、僕が言いたいのは「相手が現地語を話してくれると嬉しい」ということであります。

 そして本題。知ってのとおりタンザニアはスワヒリ語を公用語としていまして、現地部族語も数多く存在しますが、とりあえずは日本の2.5倍という広い国土のどこでもスワヒリ語が通じます。
 やはりここでも、スワヒリ語で話されるとタンザニア人は嬉しいようです。物を買うときに突然半額になったり(それでも現地価格よりはちょびっと高い)飯を食ってるそばで引っ切りなしに話しかけられたり、当たりそうな怪しいフレッシュジュースをおごってくれたりと、いろいろな恩恵を受けることが出来ます。

 僕も何の因果かスワヒリ語を勉強して、話さなければならない状況にさらされて「こんな珍しい言葉に触れられてラッキー」とか「どうせ勉強するなら、英語の方が役に立つのに・・・」とか複雑な気持ちでしたが、タンザニア人と二年半のあいだ接してみて英語では聞けなかったであろう、本音とかが聞けて、まぁスワヒリ語を学んだことは僕にとっては大きな意味があったと思います。

 さて、折角二年以上もの長い間”生の”スワヒリ語に触れてきたので、ここでちょっと”粋”なスワヒリ語をいくつか紹介したいと思います。と言っても私もそれほどスワヒリ語が上手い方ではないので間違っていたら悪しからず。

 まずは挨拶。スワヒリ語で有名なのは「ジャンボ(JAMBO)」ですが、本当は問いかけが「フジャンボ(Hu Jambo)」答えが「シィジャンボ(Si Jambo)」です。町中で「ジャンボ!」と言われたら「シィジャンボ」と答えましょう、多分びっくりしてくれる事でしょう。

 次はちょっと上級編。最近(と言っても結構前かららしいが)若者の間で流行っているのが「マンボ(Mambo)」もともとは「Mambo vipi」。意味としては「最近どぉ?」ってな感じ。これの流行りの答えが「ポア(Poa)」。マンボと言われたらポア、これが基本です。ポアと言うのは直訳で「cool」でありまして、多分白人の受け答えがそのままスワヒリ語化したようです。

 ここからは、そんな事は知ってるよ、という方のためにいよいよ”粋”なスワヒリ語。おなかいっぱい、というのは「Nimeshiba」ですが、他に「Nimejichana」とも使います。「chana」「引き裂く」、それに「ji」が付くことにより「自分を引き裂く」となります。つまり「体が引き裂かれるぐらい食べ過ぎた」となるのであります。
 旅には食事はつきものだと思いますので、ぜひ、使ってみてください
「オッ、こやつ出来る」と思われること請け合いです。

 あと、僕が最近気に入っているのが、よく「スワヒリ語、どこで勉強したんだ?」と聞かれたとき、「道で拾った(Nimeokota njiani)」と答えるようにしています。実際、スワヒリ語にもおもしろい言い回しや、隠語的なものもたくさんあるので、ぜひ、興味ある方は自分で拾ってみてください。と言う訳で、Karibu Tanzania!

僕も二年半、スワヒリ語で生活してみて英語では聞けなかったであろう。


["おかたか"の目次へ] [前へ] [次へ]